むべ:「春雨」が季語。「少し太りし」という中七が良いですね。ごうごうと激流・奔流ではないのですが、春らしい雪どけの水量の多さを想像することができます。

素秀:雨が降れば筧の水が増えるのは当たり前に感じます。増えると言わず太ると表現したのがミソなのかなと思います。

せいじ:筧にはいつもちょろちょろと水が流れているのであろう。春雨は静かに降る細かい雨であるから、少しの雨では、水の量が目に見えて増えるとは思われないが、よ~く見ると、意外にも、少し増えているのである。科学者ならではの見事な発見と言わざるをえない。

うつぎ:山清水を引いているのでしょう。春雨に心做しか筧から落ちる水の筋が太くなっている気がする。微妙な量を素十さんの目で、ではないでしょうか。

あひる:この筧は山から清水を引いているのかも知れません。春の雨で山全体が潤い、筧の水も少し増えたようです。自然の営みと人の営みが響き合うようです。

豊実:普段は殆ど流れていない筧の水が春雨で増えたのでしょう。最近では筧の水源は水道が多いようですが、自然の水源には風情がありますね。